大人のファッションの時代

大人のファッションの時代

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ファッションと言えば、ヤングという時代はもう時代遅れで、今や日本のファッションは”おとな”が主役という時代です。これからの小売業は、いかにおとなにモノを買ってもらえるかが鍵となります。

 

ショッピングセンターの地方出店、大型化に伴い、ショッピングセンター内に出店する専門店にも大型化・ファミリー化が求められてきました。その結果、たくさんのアパレル企業がショッピングセンター向けの小さな子供がいる家族「ニューファミリー」のブランドを開発し始めたのです。

 

大人のファッションの時代

 

大型ショッピングセンターの開発がひと段落すると次に着手したのが、都心の一等地に大型のファッションビルや百貨店を出店することです。2007年にできた有楽町の丸井(有楽町イトシア)、2011年にできた有楽町ルミネがその代表的な店舗です。

 

「有楽町マルイ」の売場面積は、18,500平方メートルと都心部最大規模です。丸井は家具を取り扱う店として創業されましたが、「有楽町マルイ」には家具売り場はなく、基本的にファッションを売る店としてオープンし、年商200億円規模の店舗となっています。

 

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一方、「有楽町ルミネ」は、有楽町西武跡地にオープンし、売場面積は、11,300平方メートル、年商は200億円を目標にした店舗です。初日に5000人の行列を作り2億円以上の売上をあげ、同店への期待の高さがこの点からもうかがい知ることができます。この店舗と同時に阪急メンズ館もオープンし、おとなの男女がこの界隈でショッピング目当てで歩き回ることができるという拠点が誕生したのです。

 

有楽町マルイと有楽町ルミネという異なる会社がおとなの男女というおなじターゲットを目当てに店づくりを進め、いずれもお客様の支持を呼んでいます。そのポイントは、両社共に、以下の2つの特徴があります。

 

  1. 有楽町・銀座という立地であること
  2. 20代後半から30代前半の「大人向け」のブランドや商品に力をいれていること

 

具体的に言うと下記の2点を戦略ポイントとし、店づくりをしています。

 

  1. お客様のライフスタイルの進化に対応し、ファッションで圧倒的な一番化を実現している点
  2. 対象顧客を、従来の学生を中心とする若者から、おしゃれな社会人へと拡充をはかっている点

 

 

若者を狙う時代の終焉

 

次の言葉は、丸井の当時の会長である青井忠雄名誉会長の言葉です。「もう若者(を狙う)の時代は終わった。これからは大人の時代。有楽町、銀座も大人の街と言われてはいたがまだまだ成熟していなかった。今ようやく本当の大人の街としての準備が整ったように思う。その意味で有楽町マルイは大人を狙います」

 

有楽町マルイのオープンに合わせて、ある新聞に載せたコメントで、この言葉は大きなトレンドの変化を感じさせました。人口の変化を見るまでもなく、これからは若者が減少し、高齢者が増えていく少子高齢化の時代です。今後は若者というより、大人に共感してもらい口コミで広げることがモノが売れることにつながるでしょう。



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