アパレル業界の市場規模について

製造・卸売市場の規模について

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比較的大きな市場と言われているアパレル業界は、いったいどのくらい大きな市場なのでしょうか。客観的に、現在のアパレル市場において、どのマーケットが大きいのか、成長している市場、縮小している市場などを見ていきましょう。

 

日本における繊維産業市場の規模は、2007年度時点でメーカーから小売業まで寝具などの繊維製品までも含めると37兆円ほどありました。2008年度では約33兆円程度、2010年度には30兆円を下回るまでに規模が縮小しています。

 

その30兆円の中で、20兆円ほどは、通常の生活の中で目に触れることができる衣料品を作り、販売している企業で作られる市場です。この市場は、製造市場、卸市場、小売市場を合わせた市場規模です。縮小してはいるものの、非常に大きな市場であると言えるでしょう。アパレル製造業は、1兆2000億円の市場規模です。

 

アパレル業界の市場規模について

 

部門別ではアウター製造業とニット製造業で市場の83%を占めています。その構成比は徐々に減少しています。アウターの中の構成は、婦人や子ども服の製造業が製造業全体の21%、次いでニット製品製造業(紳士や婦人を含む)が全体の20%と高い割合を占めています。これらの大きな比重を占める部門が徐々に売上が落ちている中で、ブラウス、ワイシャツ、作業着などの衣料品や身の回り小物などの雑貨製造業が売上を伸ばす兆しも見えてきました。

 

アパレル卸市場は、11兆4000億円から10兆円を下回り始めました。そのうち、婦人・子ども服卸売業が42%、次いで身の回り品(靴下・バッグ、靴など)が30%という割合です。市場自体は大きいものの、アパレル市場全体は縮小しつつあるというのが現状です。

 

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小売市場の規模について

 

アパレル市場を支えているのが、アパレル小売市場ですが、その中でもアパレル製品を取り扱う小売市場にはさまざまな立ち回りをする人がいます。それぞれの立場でアパレル商品を最終の顧客に届けていますが、それも業態ごとで変化が大きくなってきています。

 

 

日本のアパレル小売市場は、2006年度で11兆5000億円の市場規模でしたが、2010年度にはおよそ9兆7000億円になり、4年間で2兆円も市場規模が縮小することとなりました。消費者の衣料品に対する財布のひもが固くなっていると言えるでしょう。

 

部門別に見てみると、やはり婦人服市場が全体の54%と高く、半分以上のシェアを占めています。チャネル別では、2006年には専門店シェアが46%、2010年には52%と増えています。この数字は、百貨店と量販店の衣料品販売が減少したことが関わっています。

 

2000年以降に専門店チェーンが大きく力をつけてきており、売上を拡大させているのとは対照的と言えるでしょう。今後も、この専門店がこの市場の大半を作り上げていくに違いないでしょう。そして、チェーンでない中小零細専門店は苦境に立たされています。

 

しかし、固定客を大切に扱い、顧客のファッションライフスタイルの一か所で全ての必要な商品をまとめ買いできる「ワンストップショッピング」を成功させている絶好調な零細店舗ができてきているのも事実です。

 

アパレル市場はとても大きな市場です。そのため、新たな企業が続々と生まれやすい市場でもあるのです。百貨店などの大型店が売り上げを下げている中、専門店の売上が安定しているように例え小さな企業であっても、販売機会は必ずあると言えるでしょう。成功させるには、時代の流れをどう読み、そのトレンドを市場に反映させるかが非常に重要なポイントとなってきたのです。



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