アパレルメーカーが展示会を開く理由とは?

アパレルメーカーが展示会を開く理由とは?

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次のシーズン商品の内見会と受注会の意味で、アパレルメーカーの多くは、商品を市場に浸透させるために展示会を開きます。展示会を成功させることは、メーカーの売上に大きな影響を及ぼします。

 

 

展示会は、アパレルメーカーにとっては、必要不可欠なイベントであり、一大営業の場になります。メーカーにとっては、売上を確保する場であり、小売業にとっては売上を上げるために仕掛ける場となります。

 

メーカーは、展示会を一つのゴールと定めて商品企画をそれに合わせて進めてきます。バブル期は、展示会は会社においてではなく、イメージをより高めるためにホテルなどの別会場でやることも多くありました。しかし、最近は、展示会場にお金をかけるのではなく、商品自体にコストをかけようとする動きがあり、展示会場を会社の中で開催する企業が増えてきたのです。

 

展示会では、取引先のバイヤーが次のシーズンの売上計画に基づいて次の項目を決定していきます。各社の数値計画を基準に、@何(アイテム)を、Aどのくらい(量)、Bいつまでに(納品時期)、Cいくらで(下台)を決めます。

 

アパレルメーカーが展示会を開く理由とは?

 

アパレル業界では、1年を4〜6シーズンに区切って、商品を構成していきます。以前は年間4回ほどの展示会を開催し、受注するというパターンでしたが、最近では年4回だった展示会を10回にまで増やしたという大手メーカーもあります。その理由として、お客様がよりシビアになり、予測と現実のギャップが大きくなり始め、半年前に流行を予測しても、その通りいかないことが多くなってきたのです。

 

そこで展示会の開催数を増やし、こまめに取引先に提案する機会を増やしたのです。メーカー側の労力は増えましたが、その努力により、顧客とのギャップは小さくなり、受注が増えたという実績もあります。

 

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マーチャンダイズのシュミレーションについて

 

展示会終了後も、メーカーにとっては忙しい日々が続きます。取引先のチェック状況に応じて修正点を確認し、マーク別の数量集計をして、最終数量確認を行うのです。そのような作業を終えて、初めてそれらが生産の工場にまわるという段階にたどり着くのです。

 

 

展示会においてメーカーの営業担当者は、次のポイントにおいて、展示会場のサンプル商品を基準にして、チェック作業を行っていきます。

 

@アイテムに関して

色・柄傾向、型・デザインのディテール(詳細な部分まで)、サイズピッチ、サイズ別アソート、価格設定、素材感などの最終確認。→必要であれば内容を修正。実際に納品する段階では、修正されたものを投入。

 

A数量チェック

全取引先別マーク別数量把握の実施。※展示会でのサンプル商品はテストの意味もあるため、場合によっては生産中止の商品が展示した商品の半分以上を占める場合もあるのです。

 

Bディテールチェック

商品化が決定した商品について、取引先の意見をもとに、ディテールの最終チェックを行います。 →細かいデザイン面の修正が多い。ボタンの素材、ステッチの入れ方、ベルトの太さなど詳細まで。

 

 

これらの修正を最終的に行ったうえで、デザイナーやパタンナーと呼ばれる人たちが、再度、デザイン、パターンを微細にわたるまで修正するのです。

 

また、マーチャンダイザーと呼ばれるマーチャンダイジングを担当し一切の責任を持つ人が最終の仕上がりと生産金額、数量のトータルチェックを行い、そこでやっと商品がラインに乗るのです。慎重に慎重を重ねて、商品は工場に流れていくことが分かります。



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