進化しているGMSのアパレルについて

進化しているGMSのアパレルについて

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大衆向けの大規模な小売業態である、GMSが開発するショッピングセンターが注目を浴びています。あまり知られていないかもしれませんが、それぞれの売場についても以前よりもグレードアップしているのです。GMSは、アパレル部門の改革によって体質を改善しようとする動きが進んでいます。

 

進化しているGMSのアパレルについて

 

2012年からGMS各社は、アパレルのマーチャンダイジング改革に力を入れ始めています。GMS単体での売上増があまり見込めない現状の中で、収益性の高いアパレル部門を強化することで、GMS全体の利益を上げることしか打つ手は考えられないのです。

 

今後のGMSのアパレル改革を進めていくなかで、大きく2つの方向性が考えられます。

 

@肌着、靴下、実用衣料、デイリーウェアの商品開発、売場開発の強化

衣料品分野の強みである上記の分野で、ターゲットを絞った売場開発が本格化。グレードを上げることよりも、買いやすい商品、機能性の高い商品を開発するか、買い回りしやすい売場開発をするかどうかが成功への道を開く。

 

Aテイスト感を上げた商品やブランド開発

特にシニア層や高齢者は身体へのフィット感を含めて、こだわりが深いので、そのような消費者に対応する商品開発が必要。2005年から始まっているジーンズを中心としたカジュアル平場(値ごろ価格帯の、特に付加価値(例えば、ブランドとか)が重要視されない商品で構成された売場のスペースのこと)の活性化についても、アパレル部門の改革の1つとして意味のある戦略と言えるでしょう。

 

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売場開発については、下記のように大手でも盛んです。

 

イトーヨーカ堂

メンズ、レディス、キッズの各売り場で「ジーニングガレージ」を作り、同じ名前のプライベートブランドの発信。

 

イオン

ファミリー向けデイリーカジュアル「トップバリュ」、ヤング向け「ダブルフォーカス」の開発。

 

西友

ジーンズをテコ入れアイテムとして、売場開発を進行中。

 

GMSの開発するアパレル商品は、これまで苦戦を強いられてきました。それは、衣料品自体の消費が低迷しているのも事実ですが、それ以上にGMSが開発する衣料品が消費者の求めるものとズレがあることが理由として挙げられます。これまで以上に商品開発と販売の現場の協力体制がしっかりしていなければ、どれだけモノを作っても売れない状況は続くのです。

 

GMSの粗利を増やすためには、アパレルのマーチャンダイジングは必要不可欠です。ただ、その方法として、百貨店や専門店と同じようなことをしていただけでは、GMSのアパレル商品政策は失敗に終わるでしょう。ジーンズや肌着、靴下などのデイリーカジュアルのようなGMSの得意分野を強化することこそが必要な戦略と言えるでしょう。

 

GMSの強みを活かす、それ相応のマーチャンダイジング構築をすることが成功への近道なのです。



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