ファッションブランドとは何か？

ファッション業界においてブランドとは、どのような意味をもつものでしょうか。一つには、売り上げを拡大させるもの。二つ目は、商品が市場に投入されてから姿を消すまでの流れ、いわばライフサイクルを長くするための重要な戦力として捉えられています。ブラントは何か、そしてどのようにブランド商品を作るべきなのかを見ていきます。

ブランドとは、商標、銘柄の意味です。もともとは家畜の牛に焼き印を押して、牛を見分けるための印として使われていた言葉。上記のような意味を持って使われてきた「ブランド」ですが、それが時代とともに変化して、モノ自体よりもブランドのほうに価値あると考えられているのが現代です。それだけブランドの持つ価値、ブランド化した物への信頼感は高いと考えることができます。

アメリカ・マーケティング協会（ＡＭＡ）のブランドの定義は次のようです。「ある売り手あるいは売り手の集団の製品およびサービスを識別し、競合相手の製品およびサービスと差別化することを意図した名称、言葉、サイン、シンボル、デザイン、あるいはその組み合わせ」ブランドは、マクロ的要素（コンセプト、全体像）とミクロ的要素（ネーミング、デザイン、色などの視覚・聴覚的要素）とで成り立ち、どちらの要素も欠かすことができません。

しかし、最も大切なのは、「私たちはどんな志・ビジョンをもったブランドを育成するのか」というブランドの作り手の考えでしょう。例えば、リーバイスは、「金鉱堀りの人たちに履きやすく丈夫で、それでいてファッション性があるものを作って履いて欲しい」というお客様に対するコンセプトを持ち作られたブランドです。

ファッションブランドの場合、これまではブランドのデザインであるとか色といったミクロ的要素を中心に興味を注いできました。しかし、これからはマクロ的要素である、そのブランドの作り上げるコンセプトどのようなもので、それがお客様にとって心を打つものなのかどうかなどの要素も購入する際のポイントとなってきます。

これからの時代、ブランド商品を作る企業側は、ブランドの本質がお客様にきちんと伝わるようそれをふまえたブランド製品づくりをしなければなりません。