ホールセールクラブの意味とは?

ホールセールクラブの意味とは?

このエントリーをはてなブックマークに追加  

卸売の業界はアパレル業界に限らず、非常に厳しい時代を迎えています。それは、これまでの商品を仕入れて業者に卸すという事業だけでは、利益を確保することが難しくなってきたためです。

 

ホールセールクラブの意味とは?

 

「ホールセラー」とは、卸売り業者、問屋のことを指します。そして、この卸売業者が卸値で会員に対して販売するという業態を「ホールセールクラブ」と言います。これは、由来は小売業や飲食業など事業者を対象に販売していたのですが、顧客の幅を広げ、会員として一般企業や一般消費者までも対象としたものです。

 

現在、アメリカでホールセールクラブの展開する主要3社の状況を見ても、3社合わせて9兆円以上の業態です。リーマンショックで全米の小売業が売上を落としましたが、ホールセールクラブの業態は確実に業績を拡大してきたのです。

 

スポンサーリンク

 

アメリカで業績を拡大した理由として、アメリカではホールセールクラブという売り方が国民の購買形態に合っていたということが挙げられます。ホールセールクラブは、大きな倉庫に段ボールに入ったままの商品を山積みにして、ケースやダース単位という大量販売を基本とする代わりに卸値という安い値段で購入できるという方法を取っています。利用者は、会費を支払っても十分に元が取れます。

 

  • 日常、それほど量を必要しないもの→パワーセンターで購入
  • ホームパーティで使用する食材、いくらあっても腐らない商品→ホールセールクラブで購入

 

上記のように、消費者は使い分けをするのです。アメリカでは「サムズ」、「コスト(日本ではコストコ)」がホールセールクラブの代表として知られています。日本では、「アカチャンホンポ」がこの業態の代表格として挙げられるでしょう。

 

 

カテゴリーキラーとしても分類されるかもしれませんが、もともとが卸売業として創業していますので、厳密にはホールセールクラブであると言えます。他にも、近年では、アメリカのコストコも九州や千葉など日本各地に出店、ヨーロッパの巨大流通グループ「メトロ」(ドイツ)も丸紅と提携して千葉に出店しています。このような動きからもわかるように、日本においてもホールセールクラブの競争が本格化し始めたのです。

 

日本の有名なアパレル問屋街と言えば、東京は、馬喰町、横山町一帯、大阪の船場、新大阪繊維シティーなどでしょう。これらの地域には、多くのアパレル問屋があり、経営に苦しんでいる企業が多いのが現状です。

 

 

そこで、新大阪繊維シティーなどでは小売もできるテナントを作り、一般のお客様にも商品を購入していただく場所も提供しています。東京の五反田TOCという卸売センターはメーカーや問屋が撤退し、入れ替わりにユニクロやアカチャンホンポなどが入居し、圧倒的に人気を誇るホールセールビルへと変わりました。

 

卸売の業界は、今までのような右から左へと物を流すだけでは商売にならない時代になってきました。これからの時代はそこに何らかの付加価値を付けなければ売れない時代です。ネットが発達している今、卸売業者は直接消費者にモノを売り、直接消費者から利益を上げる販売チャンスが来ているのです。



このエントリーをはてなブックマークに追加