アウトレットストアの形態とは?

アウトレットストアの形態とは?

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アパレルメーカーは、作った製品がどれだけ売れるのか分からないものの大量の商品を生産しなければならない業種です。そのため、売れずに残った商品をどう処分するのか、という課題が常に隣り合わせなのです。

 

アウトレットストアの形態とは?

 

「アウトレット」とは、はけ口という基本的な意味を持ちますが、「アウトレットストア」とは、メーカーが生産したものの通常のルートで売り切ることができなかった商品いわゆる余剰在庫品やキズ物を格安の価格で販売するメーカーの直営する在庫処分店のことを指します。アウトレットは、次の2種類に分けられます。

 

  1. 「ファクトリーアウトレット」…メーカーが自社在庫を処分する目的で作られた
  2. 「リテイルアウトレット」…小売業が自社プレイベートブランドや仕入れた商品で売れ残った商品を格安で販売数目的で作られた

 

アウトレットは、アメリカで始まり、1908年の「フレミントン」というガラス食器メーカーが工場横に作った直営店がその始まりと言われています。他にも有名なリテイルアウトレットとして、「ファイリーンズ・ベースメント」や「ノードストロム・ラック」という百貨店のアウトレットも挙げられます。

 

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日本では、1990年代からアウトレットという業態が出没しました。しかし、実は同様の商売形態は存在しており、”いらないものを処分する”という隠語で昔はそれは「小便(しょんべん)」と呼ばれていたのです。

 

メーカーは、百貨店などの上得意客に影響がでることを恐れ、オープンな在庫処分をすることができずにいました。そのため、店頭販売価格の3%程度でアジア諸国に販売したり、「ファミリーセール」と打ち出し、メーカーの工場周辺に住んでいる方々に内々で販売するなどの手法でアウトレット的に販売するなどの手で在庫処分をしていたのです。

 

 

ところが、バブル崩壊以降、メーカーが売れ残りの大量の在庫を抱える事態に陥ったのです。それを処分しないことには経営し続けることさえも危ぶまれ、メーカーは、アウトレット業態を作り上げたのです。

 

1995年ごろまではアウトレットの出店用地は、・都心か100キロ以上離れた場所、・取引先ではすでに販売していない過去の商品のみにする、などの条件のついた限定された商売でした。しかし、通常の小売店よりも圧倒的に安いという理由から、日本での認知度も次第に上がっていきました。

 

 

そして、アウトレットの認知度が上がるとともに、徐々に出店用地や商品構成のレベルも上がっていったのです。三井不動産やチェルシー(アメリカのアウトレットモールの開発業者)が参入してからは、海外のスーパーブランドやSPAブランドの出店が本格的になってきました。これにより、アウトレットの価値も上がり、企業としても内々で進めていた従来とは違い、本格的に取り組む業態として変化したのです。

 

しかし、アウトレット業態で100億以上の売上を上げる企業がある一方で、赤字の企業もあり、アメリカで当たり前となってきたアウトレット用プライベートブランドなどを開発するなどアウトレットでも儲かる仕組みを考えることが現在の課題でしょう。



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