百貨店の販売手法の変化について

百貨店の販売手法の変化について

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百貨店は日本においてアパレル商品を扱う流通のトップであることは間違いありませんが、一方新業態の参入により、百貨店の競争力を高めるべく革新が必要となってきています。

 

百貨店の販売手法の変化について

 

世界初の百貨店方式は、1952年開店したパリのボン・マルシェといわれています。その特色は、定価販売、店舗の出入り自由、返品自由、豪華で斬新なこと、でした。日本では三井呉服店がそれまでの座売り制から百貨店方式を取り入れ、1904年に開業したのがはじまりです。

 

前身が呉服店といったこともあり、衣料品の品揃えが豊富で、この売上を中心に発展してきました。後に家具や雑貨、食料品も加わり、なんでも揃う百貨店という日本独自のスタイルが出来上がっていったのです。1972年ダイエーの売上が、三越を追い越すまで百貨店が常に小売業界をリードしてきたのです。

 

 

しかしその後、主力商品である衣料品販売のシェアが百貨店以外の多様な業態にとって代わられるようになってくると、百貨店各社は生き残りをかけて経営統合に乗り出しました。三越伊勢丹ホールディングス(三越と伊勢丹)、J.フロントリテイリング(大丸と松坂屋)、エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急・阪神)など、経営統合によってエリア内シェアを広げ、規模拡大により仕入れのコストを少なくして収益をあげようというわけです。

 

もはや百貨店同士が競い合うのではなく、小売りの中で生き残るべく互いに協力し合うという状況です。さらに今後は異業種との連携、M&A、コラボレーションなどを行い、これまでにないような動きによって百貨店は再生への道を進んでいくでしょう。

 

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GMSの新しい流れについて

 

アメリカから導入したチェーンストア理論にもとづくGMSは、日本の流通に大きな変革を引き起こしました。現在、日本独自のGMS業態が発展しつつあります。

 

 

GMS(ゼネラルマーチャンダイズストア)は食料、衣料、日用品を総合的に取り揃え、セルフサービスの販売スタイルによって、リーズナブルな価格の商品を大量に販売することから、量販店と呼ばれてきました。

 

1950年代アメリカからチェーンストア理論、スーパーマーケット理論が入ってきて日本にも大量生産・販売という流通形態がでてきました。衣料品中心のものはスーパーストア、食料中心のものは、スーパーマーケットと呼ばれ、この二つが合体したり離れたりしながらGMSつまり総合スーパーマーケットへと発展していったのです。

 

 

最近増えてきているカテゴリーキラー(特定分野の量販店、家電量販店など)と区別するために総合スーパーマーケットは量販店ではなく、GMSと呼ばれています。GMSの大元であるアメリカのスーパーマーケット理論は1930年、マイケル・カレンが開業した食料品のセルフサービス店キング・カレンストアが提唱したものです。

 

低コスト、セルフサービス、低価格・大量販売という考え方が主な骨子です。この理論にならい、日本でも1957年、主婦の店ダイエーが開業しました。その後あっという間にGMSは出店を増やしていき、小売業の中で主要な地位を占めるようになっていったのです。

 

 

一時、GMSが勢いを失ったこともありますが、近年では海外進出をしたり、大型ショッピングセンターに進出したり、 地域密着型の小店舗をつくるなど新しい業態への挑戦に乗り出しています。



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