アパレル業界におけるカテゴリーキラーとは?

アパレル業界におけるカテゴリーキラーとは?

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日本にこれまであまり存在しなかった「カテゴリーキラー」という業態が今、成長しており、この業態は今後、流通の流れを大きく変えていくでしょう。

 

アパレル業界におけるカテゴリーキラーとは?

 

カテゴリーキラーというのは、ある業態を表すアメリカで生まれた言葉ですが、どのような業態でしょうか。カテゴリーキラーとは、多店舗展開を前提としたスケールメリットを活かして、一定のカテゴリー(業種・商品・領域など)に品揃えを限定して、大型の店舗の面積で、より安い価格で大量仕入れをし、大量に販売をしていく業態のことです。

 

カテゴリーキラーの由来は、あるカテゴリーに関してはライバル企業に負けない特価した商売をしていくために、その他の企業のシェアを奪うというところから来ています。アメリカには昔からカテゴリーキラーが業態として存在し、数え上げたらきりがないほどあります。

 

カテゴリー別に、圧倒的一番店を見てみると以下のとおりです。

 

  • 総合ディスカウント型…「マーシャルズ」「T・J・マックス」
  • 家電…「ベストバイ」「フライズ・エレクトロニクス」
  • スウェーデンの家具小売り…「IKEA」
  • 衣料品…「コールズ」
  • 玩具…「トイザらス」
  • インテリア用品…「ベッド・バス&ビヨンド」

 

アメリカは、広大な国で一つ一つの街の距離が離れています。そのような立地特性を考えて、街と街の中心あたりの田舎町に超大型ショッピングセンターを開発し、広い地域から顧客を集めるのが一般的なやり方となっています。

 

そのため、カテゴリーキラーのディスカウントショップばかりを集めた「パワーセンター」、いわゆる土地の安い、幹線道路沿いに立地し、車で訪れる顧客を対象とした大型のショッピングセンターは開発しやすかったのです。そこで伸びたカテゴリーキラーは、圧倒的な商品力によってその知名度と売上を伸ばすことに成長したのです。

 

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アメリカと違い、日本では、地価が高い、賃借料も高い、商圏も狭い、また古くからの商業上のしきたりなどの影響などの理由により、大型のカテゴリーキラーが出店しにくい状況にありました。そのような状況の中で、アメリカのカテゴリーキラーが日本に進出しても、採算が合わず撤退していった例も多くありました。それがここにきて「カテゴリーキラー」の業態が、勢いを増し始めたのです。その理由は、次のようなものです。

 

  • モノがあふれて、ある程度生活が満たされてきた。
  • お客様はより品揃えが良く、より安いところで買い物をしたい傾向に変化。
  • 特に日常使用する商品(家電、薬、日用品、普段着など)はより安く抑えたい。
  • 日用品よりも大切な洋服、海外旅行などにお金を使いたい。

 

このような理由でお金の使い方が変わり、カテゴリーキラーを好むお客様が増えてきたという時代の変化があったのです。カテゴリーキラーは、専門特化した事業の特性で成長してきました。しかし、今では総合化が進んでいます。ヤマダ、ビッグなどの家電量販店が家電というカテゴリー以外にも商品を拡大し始めたのです。

 

 

また、その一方で、百貨店や総合スーパーでは、”専門店”の業態を新たに生み出し、扱う商品を絞り込むなど専門性を強める動きも出ています。それぞれの立場で新たな道を探る中で、カテゴリーキラーの都心型大型店開発が続いていますが、それらが成長するためにはカテゴリーの強さを維持することとともに総合化をどう実現できるかということにかかっているでしょう。



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